御料理貴船2月前菜

御料理貴船。2月は節分料理。今月もテーマに沿って演出される御料理がすごい。もちろんお味は保証付き。

金沢主計町の少しわき、住所としては彦三(ひこそ)の貴船さん。予約がとれない朝ご飯でも有名ですが、夜の御料理も人気です。前回11月にお邪魔したときは蟹料理でしたが、今回は2月と言うことで節分にちなんだコースでした。床の間から食前、直中までしっかりと季節を感じられる料理は素晴らしいです。

御料理まで…

お店の佇まいはこんな感じです。主計町の茶屋街の並びですので浅野川の目の前です。2階に見えている障子のお部屋が浅野川を望める特等席。とはいえ冬はすぐに暗くなってしまうので、真っ暗な川面が見えるという感じです。夏は明るいので素敵な感じです。

貴船入り口

床の間はこんな感じでした。掛け軸の文字はすみません読めません(笑)

節分なので鬼とおたふく(福の神)に升にはいった豆です。升は「増す」「益す」に通ずるのでこれだけで縁起が良い物ですね。

床の間

席に入ると御煎茶がいただけます。この煎茶が激しくうまみがあり、出汁か!といいたくなるくらいのもの。一口目からびっくりです。そしてここにもありました豆まきの豆ですね。それに、目元が隠されたひょっとこの箸置きもかわいいです(笑)

御煎茶

お豆は控えめに5粒。5歳かといわれてしまいそうですが、なにげにタンパク質を食事の前に少しだけでも取ると血糖値の跳ね上がりに対応出来たりするのでしょうか。さすがに量が少なすぎるのかな。

豆

先ほど紹介したひょっとこ氏の素顔です。お隣様はおたふくでした。節分のおたふく(おかめ)とその対で使われることの多いひょっとこ氏の出番となったそうです。

ちなみにおかめは天岩戸伝説で閉じこもった天照大御神のために踊りをおどった天宇受賣(アマノウズメ)と言われています。

箸置き

そして御料理が出てきました!

新型コロナウイルスのまん延前は4人前をまとめて鮮やかに提供頂いていたのが前回行った11月には一人ずつになり、今回は2名ずつとなっていました。文字通りアクリル板の壁に阻まれないサイズを探求しているのでしょうか。ちなみに11月の訪問時のエントリに過去のものを含めて紹介しています(季節感を感じる上品なお料理たち。今月はやはり蟹。御料理貴船。)。

ということでこちらも節分ですね。おたふくがリアルでちょっとアレでしたが(笑)鬼が嫌いな柊の葉が添えられています。

ちょっと見にくいですが短冊には「追儺招福(ついなしょうふく)」とあります。「儺」は鬼を表す言葉で、そのまま「鬼は外、福は内」ですね。

御料理盛り合わせ

一人前の前菜です。おたふくのお面の下にあったものたちです(笑)

左上の升は升の中に升ということで「ますます」幸せになれるようにとの願いとのこと。ちなみに写っていませんが、側面には「福」の文字が。こちらには赤貝とほうれん草、くるみの和え物です。

右手前にはこちらにも柊の葉とその下にあるのは鰯の寿司。鰯も鬼が嫌う物として、柊と鰯の頭を飾ったりしますよね。右上は黒豆、数の子の紹興酒漬け、干し柿とゴルゴンゾーラチーズ、ローストビーフ、煮蛸、空豆の揚げ物、黒豆です。それぞれとってもおいしゅうございました。幸せを祈る立春大吉の短冊も。これもうれしいですね。幸せが訪れそうです。

ここでもこの短冊と柊と鰯で、鬼は外福は内ですね。

前菜

食前酒を頂きます。女将が自ら注いで下さるのでそれぞれいただきます。ノンアルコールもあるのでお酒を飲めない方も大丈夫。今日のお酒は加賀山中温泉に蔵がある松浦酒造の獅子の里 純米吟醸 無垢でした。

食前酒

前菜を頂きます。黒豆はひもで結ってあるなとおもったのですが伺ってみると松の葉だそうです。芸が細かすぎます。

この前菜は本当に酒のあてに最高ですが、先ほどの獅子の里の無垢が季節限定ということもあったのですが、御料理の味の邪魔をしないすっきりとした味わいで良かったので、別途注文して最初から日本酒天国になりました。

黒豆

次にでてきたのがこちら。鱈の白子の天ぷらです。昨日は酢の物でいただきましたが今日は天ぷら。でもお出汁に浸っています。出汁には加賀野菜の源助大根のおろしが使われており、上に乗っているのは山菜のうるいとセリの根、そしてふきのとう味噌です。出汁のお味とそして大根おろしのバランスがとってもよくてうなってしまいました。そしてセリは根っこを頂く物というのはもちろん知っていますが、こんな出し方があったとは、そのほかの山菜も独特の苦みがそれぞれよいです。

まだ山菜には早いと思っていましたが次の季節を見通す走りの一品とおもいきや鱈の白子は旬のもの。この季節ならではでしょうか。

鱈の白子の天ぷら

次に出てきたのがお刺身。絵馬をあしらった台とのことですが、江戸時代の御触書(笑)のよう。

手前のマグロは漬けですがゆず胡椒と醤油でつけたそうで、上に乗っているのはこちらもうるい。とてもすっきりした漬けに仕上がっていました。おいしい。

奥のお皿は柳鰆の焼しも造りにペリーラがのっています。ペリーラは大葉(しその葉)のベビーリーフです。普段見る大葉ほど香りが強くないので御料理と合わせやすいですね。とてもすっきりしました。

お刺身

お刺身を食べるとしたからこちらは、鬼とおたふくがあらわれました。立春大吉の短冊は先ほどの升にはいっていたものです。食べた後でも美しいです。とうか季節毎の食器やらを大量にどこに集めてあるのやらという感じですね。そういえば昔女将が管理が大変だとおっしゃっていたような…。

そして、少し早めですがご飯物が先にでてきました。これはおじやですが、焼おじやです。ふぐとふぐの白子。鱈とふぐの白子を一緒に食べたらバチがあたりそうです(笑)。黒い器が焼かれていて、あつあつです。言ってしまうと和風のドリアですね。あっさりしていますがとてもおいしゅうございました。

そして椀物です。今度は牛がでてきました…。能登牛とのと115、そして下仁田葱。黄色いのは卵黄のソースです。のと115は能登で開発されたしいたけで、とても肉厚でうまみもすごいです。大きな物は「のとてまり」ブランドとして出荷されますが、サイズ感の使いやすさなどもあるのでしょうね。

椀物

のと115です。ちょっと厚さがわかりにくい角度でしたがこのふっくら感がわかるでしょうか。ちなみにのとてまりになると、かさの部分の直径が8cm以上、かさの厚みが3cm以上、そして巻き込みが1cm以上のものになります。のと115でこれだけあるのですから、のとてまりとなるとすごいことになるでしょう(笑)

ちなみにこのあたりからつぎの日本酒に。富山の三笑楽が縁起もいいからということで。このお店はワインやノンアルコールもいろいろとあるのですが日本酒も本当にいろいろとあります。

この日はすべて女将に選んでいただきました。

のと115

そして次の御料理はこちら。何だろうと思ったのですが、百合根のムースとのこと…。一番下が百合根、その上にずわい蟹、そしていくらと芽ネギが乗っています。思いも寄らぬ組み合わせでしたが、まぁおいしくないわけはありませんね…。こちらは名残のお皿。

百合根のムース

そして蒸し物です。鰤のかぶら蒸しです。かかっているのは菜の花。もう春かー。と思わせてくれます。香りがとっても素敵でした。

日本酒もここから今度は千代鶴に。ここまで北陸のお酒を頂いておりましたが、これは東京のお酒。

百合根

そして最後にご飯ものですね。今日は牡蠣のバター醤油ご飯。いやもうこんなのおいしくないわけないです。漬物もあっさりとしていて本当にすっきりします。

牡蠣のバター醤油ご飯

デザートはイチゴのアイスクリームです。かかっているのはワインとイチゴのソース。甘過ぎず、でも酸っぱくもなくほのかな甘みで幸せでした。

デザート

今回も季節をしっかり頂きました。目にも楽しませる料理は本当に楽しいです。次はいつ来れるかな…。

11月の御料理はこちらをご覧下さい。

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御料理貴船入口

店舗情報

店舗名御料理貴船
住所石川県金沢市彦三町1-9-69
電話番号076-220-6131
営業時間11:30~、17:30~、日曜朝のみ朝食7:00〜
定休日水曜日、第一火曜日
御料理貴船2月前菜
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