白山市の御料理鈴おきでクリスマスランチ。クリスマスにちなんだ御料理?も。御料理もお酒も最高。大人の静かなランチも良いものです。

今日はクリスマスですね。24日のイブにディナーというパターンが多いのかも知れません。今日12月25日はお昼に金沢市中心部から少し離れますが白山市の鈴おきさんにランチに伺いました。茶懐石の風味ばっちりで、住宅街と田んぼの真ん中にあり、静かな隠れ家的な要素が満載です。庭も器も美しく、とても楽しませていただきました。交通の便はちょっと良くなくてタクシーでの移動かハンドルキーパーさんが必須ですね。おかげでゆっくりできる気はします。

まずはお部屋へと

鈴おきさんの入り口です。この入り口を左に見て少し行ったところにお客様駐車場があります。駐車場の目の前にはおそらく店主のご自宅がありまして、広い玄関なのですが、そっちは入り口ではありません(笑)連れの一人が間違えて扉を開けようとしましたが鍵が閉まっていました(笑)

冬の石川県ですので(?)確りと雪釣りがされています。左の山茶花(さざんか)が綺麗ですね。ちょっとしっかり見てなかったので椿かもしれませんけど…。

鈴おき入り口

入り口で予約名を告げると青い部屋へどうぞといわれたのですが、どこかわからず聞いてしまいました。入ってみると確かに群青。高貴なイメージですね。今回は5名だったので茶道の立礼席(りゅうれいせき)用の机だと思いますが5人分用意されていました。立礼席というのは茶道で立ってお茶を頂くための席です。

掛け軸も立派です。席には膝掛けが用意されていました。女性にはうれしいですね。色味もすべて統一されています。青のお部屋というからにはもう一部屋は赤いのかなぁ…。写真左側にもう一部屋あるようです。そちらにも入ってみたいですね。次回に期待です。

青い部屋へ

部屋から見えるお庭はこんな感じです。手入れが行き届いていますね。実は食事の途中で雪が舞い始めたのですが、まだ湿っぽくて美しいという感じにはならず。惜しいっ。

鈴おきお庭

こちらは掛け軸前の置物です。お花もかざってあり厳かな感じ。

床の間置物と一輪挿し

お席に座るとまず温かいゆず茶をいただけました。外は寒かったのであたたまります。楊枝が付いていて中のゆずもいただけます。ゆずは内側のやわらかい部分が入っていました。

ゆず茶

そして御料理へ

まずは前菜ですね。お皿は二つ。左のお皿は盛り合わせです。こちらには、金柑、ごまめ、黒豆、エビ、かぶら寿司、千社唐(ちしゃとう) の茎が。そしてもう一つのお皿は蕎麦のおぼろ豆腐です。盛り合わせに載っているひいらぎはやっぱりクリスマスを意識なのかな(笑

クリスマスと言うよりもどちらかというと正月をイメージしますね。朱塗りのお盆の’左下に移っているのは、ぴっかぴっかの漆塗りの机に天井のランプシェードが映っています。美しすぎます…。

机もお盆も綺麗な漆。道具もどれも美しいです。

前菜

そして椀物です。こちらは香箱蟹の真薯(しんじょ)です。香箱は食べ納めかと思っていましたが、こんなところで出会えるなんて。金沢の香箱の漁は12月一杯までとされているので正月には会えない食材なのです。雄の蟹の漁はまだOKなのですけれど。

すごくやわらかくてふわふわ。蟹の香りもとってもよくて、これは専門店でしかいただけないお味です。上に乗っているのは、うぐいす菜と梅人参ですね。しゃきしゃきとした歯ごたえで、やわらかい真薯とのコントラストが抜群でした。

香箱真薯の椀物

そしてお刺身です。ぴっかぴかのマグロのトロ…。もう見た目だけでやられます。おいしいに決まっている(笑)

左がマグロ、上側の白身がタイ、中央下が甘エビ、そして後ろに隠れていますが、アオリイカです。ツマには菊の花と防風(ぼうふう)ですね。わさびはつけ忘れたようで(笑)別皿ででてきました。こちらは石川県は白峰のわさびだそう。

どれも甘くてとっても幸せでした。もともと白峰のわさびがツーンとくるからさがなくマイルドな辛さでしたが、マグロの脂がすごくてわさびがたくさん必要になります(笑)

お刺身

ここまで生ビールをいただいていましたが、せっかくなので日本酒にシフトしようと言うことになり、メニューを見ると「店主におまかせ」の文字が。

ということでお願いして出てきたのが、手取川 kasumi 純米大吟醸です。濁っててもいいですか?といわれたのでもちろんと答えたのですが、このお酒、発売されるとすごい勢いで売れてしまって、なかなか見つからないそう。最後の一本と言うことでした。

微発泡で甘みがあるのですがすっきりとしていて、頂いたみんながおいしい!との声。大当たりの日本酒です。主張は強すぎないので食中酒にもばっちりです。

手取川 kasumi

そして次の御料理はこちら。粟(あわ)と蓮根の蒸し物です。中には穴子と百合根、キクラゲがはいっていました。上には自家製というゆず胡椒が。お店のかたも手前味噌ですが…このゆず胡椒はとってもおいしいんですよ。必要であればお変わりお持ちしますとおっしゃるほどの自信作の模様。田鹿にとっても爽やかでした。

ざっくりと混ぜてから食べて下さいとのことでしたのでそのとおりに。するといろいろな食感と穴子の味のアクセントがまざってとっても素敵でした。時々ピリッとくるゆず胡椒がいい仕事をしています。この写真ではよくわからないのですが、粟のつぶつぶも確りと見えました。この舌触りも素敵。

粟と蓮根の蒸し物

次も蒸し物です。聖護院かぶらと海老芋の蒸し物です。味噌で見えないですが、手前がかぶらで、奥が海老芋です。手前にあるのは加賀野菜の金沢春菊です。出汁はかぶらを炊いたときのものだそう。

それぞれ蒸し加減がちょうどよくて、やわらかすぎて歯ごたえがないということもなく、固すぎることもなくという絶妙さ。かぶらもおいももそれぞれの甘さがすてきでした。そしてそこにしゃくしゃくした食感の春菊が良い感じです。味噌は少し甘めですがもちろん強すぎずです。この御料理も日本酒にぴったりでした。

聖護院かぶらと海老芋の蒸し物

そしてご飯です。能登牡蠣のご飯がでてまいりました。お出汁をかけていただくこともできるので2粒おいしいやつです。ひつまぶし方式(笑

どうしようかとまよったのですが、店員さんのひとこと「おかわりもありますので」で、全員1杯目はそのまま、そして2杯目で出汁をと決意したようです。というか火をいれてこのサイズの牡蠣ってもともとどんだけのサイズだったのやら…。

お味も炊き込みご飯ですが優しくてとってもいい感じです。

牡蠣ご飯

そして2杯目です。牡蠣は2つから1つに減りました(笑)、この紅ショウガがとってもいい仕事をしていて、ピリッとアクセントが素敵です。出汁自体は薄味で牡蠣の味を邪魔しない感じ。食感がかわっていくらでも食べられそうです…。

牡蠣ご飯(出汁がけ)

そしてデザートです。イチゴとキウイとオレンジとゼリーは山茶花だそう。オレンジだけ品種を教えてもらえました(笑)紅マドンナという品種だとのことです。

山茶花のお花は初めてでしたが、味と言うよりもやはり食感です。シャキシャキという食感がのこっていました。ほら、入るときに山茶花がありましたがこれかな?とおもってしまいましたがどうだったんだろう。さすがに食用のものを仕入れているのかな。

水物

今日だけの特別とでてきたのがこちらです。栗のすまし汁。栗のすまし汁?とびっくりしましたが、とっても良いお味です。栗のいい香りが素敵。で、なにかとおもったら、

栗のすまし汁 → くりのすましじる → くりすまし → くりすます …

というおやぢギャグでした(笑)いや、こういうの大好きです。ギャグだけじゃなくておいしくてしかも初めての体験だなんて素敵すぎます。お店がますます好きになりますね。

クリスマスの吸い物(栗のすまし)

締めのお抹茶へ

そして自家製の水ようかんです。最後に御抹茶をいただけるので、そのためのものですね。っといわれて?かもしれませんが、茶道などでお菓子がついているのは、お茶をおいしく頂くためです。甘い物を口に入れたあとに御抹茶を頂くと味が全然違います。

ひいらぎやも昔茶道をならっていましたが、お稽古ではないタイミングで、よかったらお茶がまだあるから飲みなさいと言われたときには必ず先生にほらそこに干菓子がまだあるから口にほうりこんでそれからお茶をといわれたものです。

自家製の水ようかん

そして御抹茶(お薄)です。いやこれもとってもおいしかったです。おいしい抹茶って出汁のうまみを感じるんですよ。植物性の出汁…大雑把に言うと昆布だしですが、これはグルタミン酸です。緑茶にはテアニンといううまみ成分がありますが、これはグルタミン酸に近いもので、この味が強いのですね。

御抹茶

ということでとってもおいしく素晴らしい空間でした。絶対また来たい!と誓って帰ろうと思いますがその前にトイレに…。

男性のトイレにはこんな素敵なマークが(笑)ちょっとにらまれているようではありますがすっきりして家路につきました。

トイレマーク(男性)

帰りは少し雪交じりの雨でしたが足場が悪くなっていなくて良かったです。明日からは大雪の予報。どうなることやら…。

店舗名御料理鈴おき
住所石川県白山市橋爪町23番地
電話番号076-274-2502
営業時間11:30~22:00
定休日不定休
Webページhttps://www.oryouri-suzuoki.com
最新情報をチェックしよう!