本書はお金を増やすための投資について述べた数少ない本として書かれた本と銘打たれています。発刊の2019年ころには資産運用というとお金を減らさない仕組みばかりで増やしていくことを紹介した本があまりないとしていますがそこはそうだったかな?とちょっと疑問です。ともあれ、本書は初心者向けにお金を増やしていく資産運用の仕方についてどのような投資の方法があって、それぞれのリスクがどれくらいで、で、実際にどうやってやってみるのかというところがまとめられています。実践的な部分よりも理論的な部分が多いですが、その分初心者が体系づけて知識を得るには良い本です。
【audiobook.jp】 お金をとことん増やしたい人のための「資産運用」超入門 著者ファイナンシャルアカデミー/著・編集、 泉正人/監修 |
投資の基本と種類がわかる
本書は本当に投資をやろうと思ったら最初に手に取ると良い本です。キャピタルゲインとインカムゲインの違い、そして、7種類(株式、投資信託、先物取引、不動産、債権など)の投資の種類もしっかりまとめてくれてあります。
今時の人には大分浸透しているのだと思いますが、そもそもどうしてそういったことをした方がいいのかから話をしてくれていますので、順序立てて確り理解したいという初心者に良いと思います。
ひいらぎやはWebやYoutubeなどで断片的に聞きかじった情報が頭に詰め込まれていて、それぞれが綺麗につながっていなかった印象がありましたが、この本を聞き流すことで一通りその知識に流れがついたようなきがします。
また、本書で面白いのは暗号資産までしっかり触れられていることです。2019年ですのでNFTなどまでには触れられていませんが、暗号通貨とはどういう物かということが簡単ながらも書かれていますし、また、おもしろいのは美術品などの投資についても触れられているというカバー率はすごいなと感心しました。
PECDメソッド
そしてファイナンシャルアカデミーで開発した成功パターンをまとめたというPECDメソッドの簡略版が本書で公開されています。本書で紹介されているのはそんなに難しい話ではなくて、というよりも詳細をしりたければアカデミーに入ってねと言うことだと思いますが、PECDは以下を示しています。
- P: Plan(計画)
- E: Experience(経験)
- C: Concentration(集中)
- D: Diversification(分散)
本書では、世の中で言われている分散投資は資金を守ることは出来ても大きく増やすことは出来ないと言っています。それは確かにそうで、「当たれば」大きく伸びるのは集中投資です。失敗しないためにPECDのPとEで確り勉強をして、計画を立て、そして6ヶ月ほど小さなお金でいろいろな投資を経験してみて、そして得意分野をみつけられたら、集中投資をし、そして十分なお金が集まったら分散投資をして資産を守るとしています。
計画段階では自分はどこに向かっていくのかを確り考え、地図を作ります。この場合は自分の人生設計を考え、最終的にいくらお金を貯めておか寝ればいけないか、そしてそれを達成するためにはどのようにすればいいのかを明確にするのです。そしてその後は練習と実践、そして稼げれば分散で防御です。
とはいえ、そんなにうまくはいかないだろうなーというのが実感。それでも、この世界には正解はないので、こういった考え方があるということを教えてくれるのはとても価値があることです。ただ、これが正解だと思い込まないことは大事です。
この記事で、副業で個別株を買うなんて到底無理!と締めくくりました。本書は逆のことを言っています。あ、もちろん株式だけに限っていないので全く逆と言うことでは無いのですが。それでも、株式でもいいので飛び込めと言っています。本書で3〜5社の株に絞って投資をしていくとよいとあります。まずは小さなお金で「E」を実践してみるのがいいのかも知れません。ただ、「ビジネスエリートになるための教養としての投資」にもあるように、応援したい会社だからといって投資すると結局負けるのは見えているような気がするのでしっかりしらべて「P」しなければいけませんね。
本著は農林中金バリューインベストメンツのCIO(最高投資責任者)の奥野一成氏が長銀に入行してから様々な経歴と長銀の破綻などを経て、農林中央金庫にて、その頃日本ではまだ少なかった長期資産運用のプロジェクトを立ち上げた経験を元に投資の重要性に[…]