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audiobook.jpで聴いた本。44冊目。リーダーはビジョンを語り、それに沿って現場をのびのびと動かす。【最高のリーダーは何もしない 内向型人間が最強のチームを作る!】藤沢久美 著

本著は1000人以上の経営者にインタビューを行ってきた著者が、その中で感じたこととして「イマドキ」の経営者の考え方をまとめたものです。リーダーというとカリスマを持ちすべての社員を引っ張っていくというイメージがありますが、今のリーダーはどちらかというと現場にいろいろとお願いをし、本人は会社が取り組むべきビジョンを考えていくことが必要であり、そういう傾向があるとしています。ですので、直接的に「仕事」に見えるようなことをしていないので、「最高のリーダーは何もしない」ように見えるのですね。

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる! 聴き放題対象 著者藤沢久美

6つの発想の転換

本著の章立てとして6つの発想の転換があげられています。今のリーダーは会社を自分で立ち上げると言うよりも受け継いだような2代目3代目のリーダーが多いため、初代のリーダーとは考え方が変わっており、古いイメージを変化させることでチームが変わるだろうということですね。それが「転換」です。本著の初版は2016年と6年前ですので、少し状況は変わっているかも知れませんが…。

本著であげられている「転換」は以下の6つです。

  1. 「人を動かす」から「人が動く」へ
  2. 「やるべきこと」から「やりたいこと」へ
  3. 「命令を伝える」から「物語を伝える」へ
  4. 「全員味方」から「全員中立」へ
  5. 「チームの最前線」から「チームの最後尾」へ
  6. 「きれいごと〈も〉」から「きれいごと〈で〉」へ

詳細については是非本著に触れてみていただきたいのですが、一貫して伝えているのは、リーダーの仕事とはビジョンを作りそしてそれを組織全体にしみこませることだということです。

社会のためのなるビジネスとはという「きれいごと」を突き詰め、そしてそれをチームの「やりたいこと」として定義し、そこまでに至る「物語」としてチームに浸透させることで、それぞれのメンバーが命令をただこなすのではなく、目指すところにたどり着くための最善の判断を自身で行うという「人が動く」環境を作るというのがビジョンを作る大きな目的です。ここまで1,2,3,6の転換が入っていますね。

5番目はチームを最前線で引っ張るのではなくて、全体の動きを俯瞰してみるみるという内側への目の向け方を行うというのが最後尾へという意味です。4番目は敵を作らないというメッセージです。好かれなくてもいいので嫌われないことこれが大事としています。どうしても嫌われてしまうと、一緒にやるということが難しくなるので…。

内向型人間がよいわけ

内向型人間はじっくりと考えることができる。細かいところまで本当に心配でいろいろと考えるということがあげられています。なにごともしっかり考えないとチャンスをつかめません。常に問題を考え、それに対する答えを探しているという状態であるべきと言うことです。

これは、常に勉強しているという状態です。audiobook.jpで聴いた本。25冊目。「頭が良いから」といった変な言葉で片付けない。しっかり理由を考えて勉強が出来るようにして行くには。【同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?「自分の頭で考える子」に変わる10のマジックワード】石田勝紀著 にありましたね。

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勉強

イマドキのチームの作り方はきっと変わってきている。

昔はカリスマがある人に人は付いてくるという考え方があったかも知れません。そういう話題をよく聞いた気がしますが、本著ではそこらから転換するべきだと説かれています。

冒頭にも書いたとおりですが、これは事業を継承するリーダーが増えてきており、そもそも最初から偉大なビジョンを持っている(=カリスマがある)という状況ではないからですね。

それに昔の日本では会社員ではなく自営業など自身で仕事をしているという家庭が多かったようですが、現在ではそれが激減しています。それぞれの人が組織にくみいれられたとき、その組織、部署でやるべきこととしていることが自身のゴールと一致するかと考えると、そんな例はなかなかないかもしれません。

身の回りを見ていても、「出世ルート」というのがあったりとかして、その人が本当に得意としていたり、やりたいと思っていることをずっとやらせてもらえると言うことはあまりないですよね。もちろんその時点の考え方をひろげて、出来る事、やりたいと思えることを増やしていくという意味では大事な側面もあります。

こういった中でどうやって、それぞれの人をどうモチベートして、人類がよりよく生きていくためにどう貢献してもらうかこれを行うことがリーダーの役割であると本書では暗黙のうちに解いているのだと思います。

そのためにチームがどのようなことが出来るとよいのかを考えなければいけませんし、それが大言壮語になってもいけません。ちゃんとそれぞれが実現できるという道筋を作り、メンバーのそれぞれが役割を認識して自身で判断できるチームを作らなければいけません。

そうでなければリーダーはすべてのことを把握しなければならず、仕事をどれだけやっても時間が足りないことになります。やはりリーダーの仕事は、目指すビジョンを作ること、そしてそれを実現するためのチーミングが重要になるのです。

本著ではいろいろな経営者の言葉を借りてこの重要さを語っています。リーダーの形はいろいろです。ただ、いろいろな考え方があるということを知り、自分にあった、自分のチームにあった形をそれぞれで構築していかなければいけないのでしょう。

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる! 聴き放題対象 著者藤沢久美
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