アートアクアリウム展~金沢・金魚の密~ に行ってきました。時間をしっかり選ぶと意外とすいている感じ。

2021年9月から10月の一ヶ月弱ですが、再度金沢にアートアクアリウム展がやってきました。2016年の前回は10周年記念ということだったのですがその際に初めてアートアクアリウムの世界に触れたのですが当然?その世界観に感動し、今回も行ってきたのでした。既に終わってしまったのですがその様子を少しだけ紹介します。

なお、一度書いた記事が消えてしまって絶望しているひいらぎやです(笑)とはいえ、書かないともったいないのでさらにブラッシュアップさせた記事にして書きますよ!さっき書いたときの書き出しすら覚えていない!

さてさて、こんな人気のあるアートアクアリウム展ですから混み合うことは当然予想していました。とはいえ、平日はお仕事でいけないので、どうしても週末に行くことに。10月1日に新型コロナウイルス対策のための飲食店への営業時間短縮の依頼が解除されたところの金沢ではあるのですが、ひいらぎやが行った10月3日の日曜日はまだまだ不安が残るタイミング。密を避けたいというのが本音でした。

まずトライしたのは日曜日のお昼過ぎ

とりあえず行ってみないことには始まらないので、トライしたのは先ほど書きましたが10月3日の日曜日13時過ぎに美術館へ。町中はまだまだ人が出ていませんでしたし、いつも「満」表示が出ている金沢21世紀美術館の駐車場も空いていました。ところが美術館に入ると…。50人くらい並んでいる様子が…。きっと層だろうなぁと思ったところやっぱりそうでした。アートアクアリウムの列です。

さて、とりあえず、今回は幸運なことに知人から招待券を頂いていたので、これをチケットに交換してもらって、列の整理をされていたスタッフさんにこのチケットが同日中なら有効なことを確認して離脱しました。このときに開館時間を確認したところ20時までとのこと。実はこれがトラップ(笑)で後々焦りました。もともと整理券が配られているかなと思っていったのですがそういう対応もなくおそらく中に入っている人数だけを整理していたようです。

お昼過ぎは一番込んでいる時間帯かなと想像して一か八かで夕方来ることにして、金沢未来のまち創造館へ。カフェでちょっと勉強をして、一緒にコワーキングスペースの利用者登録をしてから17時過ぎに美術館にもどりました。金沢未来のまち創造館はこちらはこちらで素敵なところですのでまた別の記事で紹介したいと思います。

そして展示へ

17時過ぎに到着するとなんと行列は無くなっていてすっと入れました。行列がなくなっているというかガラガラで展示室には他に1組いるかどうかという状況。

最初の部屋にはアートアクアリウムが出来た経緯とこれまでのポスターがずらりと並んでしました。

なお、この巡回展では写真撮影は可、フラッシュと動画は不可というルールでした。前もってお断りしておきます。写真たくさん撮りましたので(笑)

最初は六本木ヒルズで行われたスカイアクアリウム。それが広く開催されるようになりアートアクアリウムとなったそうです。金魚というのはもともと観賞魚として改良されてきたものですから鑑賞されること自体はもちろん目新しいことではありません。その金魚の見せ方を一歩進めて芸術として高めてこれだけの回数を重ねてもあきられないようなものに育てたというのは本当に素晴らしいと心から思います。アートアクアリウムアーティストの木村英智氏には感謝しかありません。

ポスターはほんの一部ですがこの後ろ側の壁にも同じようにぎっしりです。というか先ほども書きましたがこのように他のお客さんがいない感じで見られるのはラッキーとしかいえません。

そして最初の作品がこちら。

ジャグリリウム

いやこれ部屋に入った瞬間怖かったです(笑)。白装束でお風呂に入っているマネキン…。最初にこれを持ってくると言うのはすごいですね。一気に現実世界から幻想の世界に引き込まれました。

作品としてはバスタブ自体が透明な素材で中が空洞に作られており、そこに金魚が泳いでいるというものです。普通のバスタブの使い方のように一般的に人が入るスペースに金魚が泳いでいるのではなく、バスタブを形作っている「壁」の中を金魚が泳いでいるというものですね。なお、説明文に添えられていた写真をみると衣装はいろいろと替わるようで、もっとファンシーだったりもするようです。

翔英美天命

金魚の彫刻が施された日本刀です。奈良県指定無形文化財の月山貞利氏と木村氏のコラボ作品とのこと。これまで、金魚の装飾が施された日本刀は確認されておらずこれが唯一とのこと。

ひいらぎやはこれ、錆びちゃわない?と少し心配になってしまったのですが(笑)、よく見ると刀が収められている空間には水は満たされておらず、その周りを囲っている水槽に金魚が泳いでいました。刀剣の輝きもとても素敵でした。

キリコリウム全景
キリコリウム近接

江戸切子の水槽?器?です。全景を見ていただくとわかるのですが台座も切子で、水槽からあふれる水でとても美しかったです。切子を通して反射する光が中の金魚を美しく照らしていましたし、近接の写真を見てもらうとわかるのですが、ビー玉が沈められており、ビー玉で光が反射しているのも本当にきれいでした。

久谷金魚品評全景
久谷金魚品評近接

九谷焼といえば金沢というか加賀の代表的な伝統工芸の一つですが、九谷焼の大きな器を使った作品です。2016年の開催の際に木村氏が金沢の工房や作家を訪ねて新たな作品を作るための活動をされたそうで、その成果の一つとのことです。器はもちろん専用に制作されたそうで、野町駅近くの久谷光仙窯の利岡光一郎氏の手による物。陶器の真っ白な背景の中に浮かぶ金魚がとても美しかったです。写真は白い金魚ですが、赤い金魚はビビットにとても映えていました。

タマテリウム全景
タマテリウム近接

こちらは玉手箱を模した水槽です。アクリルの水槽に金箔で装飾が施されています。そして中に泳いでいる金魚も、その名の通り金色。そういえば、昔英語の学校に通っているときに翻訳の課題として出された文章にGolden Fishという単語があり、さっぱりわからなかったのですがそのまま金魚でした。金魚。なぜ金魚なのに赤いものが主流なのでしょうか(笑)

話がそれました。日本に出回る金箔の99.9%は金沢で作られています。タマテリウムに使われている金箔ももちろん金沢のものとのこと。

金魚品評1
金魚品評2

先ほど久谷金魚品評を紹介しましたが、こちらはガラスのもの先ほどの久谷のものは、陶器の白の美しさとの対比を強調するためだと思いますが、器の中には金魚だけでした。一方こちらは金魚以外の水草なども合わせて作品として高められています。縁まで入った水だけでとても素敵に思えてしまったのですがその中をたゆやかに泳ぐ金魚はやはりとても美しかったです。

こちらは作品ではないのですが、金魚品評に当てられたライトを水面が反射して写った天井の陰です。金魚の動きに連動して揺れる水面の動きがきれいに映っていてとても美しかったです。動画で撮りたいところだったのですがルール違反なので断念(笑)

金魚品評のあとに制作の秘話的なストーリー紹介のビデオが流れているスペースがあったので、少し見ていたのですが、スタッフの方が声をかけてくださり、もう一つの展示室はご覧になりましたか?と。ここまで紹介した展示は1階の展示室のものだったのですが、地下にも展示されているのは知っていたのですが、まだ18時前です…。まだと答えると、もうすぐ閉館なので急いで回ってきてくださいと…。え、先ほど20時までと伺ったのですが…ときいてみると、毎週金曜日だけ20時までで、それ以外の曜日は18時までとのこと…。せっかくなのですべて見たいと思いゆっくり回っていたのを一転、急いで地下の展示室に移動しました。

地下の展示室に入ったのは18時の5分前。よく入れてくれたなとおもいましたがありがたく、そして急いで回りました。というか時間などはWebなどでも公開されているので自分でしっかり調べておきましょうという感じですね。スタッフさん案内を間違えることもあります。いっそがしいところに急に聞いたわけですしね…。

天井金魚

天井金魚です。その名の通り天井が水槽になっています。金魚が泳ぐ水槽をしたから眺めるという新しい体験ができました。江戸時代の豪商はこのような水槽を作っていたそうですがなんとも贅沢ですね。右上のあたりの箱を見るとわかるのですが鏡が貼ってあり、いろいろな方向から金魚を見ることが出来ます。

そしてその下に青く小さく映っているのが花魁です。この記事の最初の写真のものであり、アートアクアリウムの代表作です。

超花魁

こちらは花魁を超える超花魁。これすごい巨大で、真ん中の水槽にもすごい数の金魚が泳いでいますが、そこから流れ落ちる水を受ける吹奏それぞれにも金魚が泳いでいます。壮大です。こっちの部屋にも来れて本当に良かった…。

閉館まで5分しか無かったはずなのですが、結構しっかりと見せてもらうことができました。スタッフさんがきっと大目に見てくれたんだと思います。でも、1時間ちょっとあると回れそうですので、閉まる1時間半前位を狙っていくとすいているかもしれません。金沢だけなのかもしれませんが…。

最後に作品リストを紹介します。

アートアクアリウム展~金沢・金魚の密~ で展示されていた作品は17作品(最後の自動車を含めると18作品)でした。

  • Kingyo(これはガラスの器です)
  • ジャグジリウム
  • 新江戸金魚飾
  • 翔英美天命
  • キリコリウム
  • キモノリウム
  • 久谷金魚品評
  • タマテリウム
  • 金魚品評
  • プリズリウム
  • 天井金魚
  • 花魁
  • 大奥
  • ロータスリウム
  • 超花魁
  • 石庭リウム
  • アンドンリウム
  • (金魚の絵柄入り自動車)

どれも美しくとっても楽しい時間を過ごせました。以前に美術館などでは作品を見ながらいろんな事を考える時間にすると良いと書きましたが、今回は全集中でさっぱりそんな暇はありませんでした(笑)

また近くに巡回展が来たときには新しい作品も楽しみに訪れてみたいと思います。

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