「筋金を入れる」。「筋金入りの」と形容詞につかうことは多かったけれど、動詞としてつかっているケースはあまり見なかったけれど、もともとはもっと柔軟に使われていいたのか。

「筋金入りの」タイガースファンとか「筋金入りの」ワルとかそういった使い方は非常になじみが深かい「筋金入り」なのですが、先日「筋金が入りません」という表現を見つけました。もちろん意味はわかるのですけれど、そう言った表現があるのがと長い人生の上で初めて聞いたのでメモ…。

意味は構造物に金属が入っていて強いこと。転じて身体が鍛え上げられて強いこと

意味自体は、そのままですね。建物などの強度を上げるために筋交い(すじかい)を入れたりすることです。筋交いは柱と柱の間に金属の棒を斜めにバッテン型にいれることですが、まさに金属で筋(棒状の物)を「筋金」として入れると言うことですね。

物理的な強度を上げることをこのようにいいますが、建築における筋金ってすごい効果があるんでしょうね。だって、それが人間に適用されると、相当強くなっているって意味になりますよね。

冒頭であげた「筋金入りの」タイガースファンというと本当に長年ファンをやっていて、タイガースに関することなら何でも知っているという意味になります。

物理的な形容詞が人間に適用された例の一つだと思います。

筋金を入れる

この表現にであったのは松下幸之助著の商売心得帳でした。

audiobook.jpで聴いた本。6冊目。これが1973年出版?少し古くなっているところもあるがむしろ今強く言われている要素が多いのでは。【商売心得帖】 松下幸之助著

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この中でその前後は忘れてしまったのですが「〜をしなければ筋金が入りません」という表現があります。心が入っていかないという意味での使い方をされていたと思うのですが、「筋金入りの」という用例以外で初めて出会ったのでした。

ただ、この本は1973年初版なので時代の流れとともに言葉の使い方としては変わってきているとは思います。とはいえ、こういった使い方があるんだなと新発見で、ある意味アハ体験な出来事でした。

他にもこのような決まった用例で使われている用語もありますが、またそれ以外の使われ方をみつけたら紹介したいと思います。

ちなみに英語にするとhard core

「筋金入りの」を英語に翻訳するとhard-core(やhardcoreなど)とされるそうです。これも調べていたら出てきたのですが、ハードコアと日本語でいわれると何かの中核をなす人たちのことだったり、露骨な表現がされている映画などの作品だったり、従来よりも荒々しい音楽のジャンル名だったりしますね。

「筋金入りの」の英語といわれるとちょっと日本語のイメージからは離れるのではないかと思います。中核的な役割を果たすような人たちはきっとハード(強固)なコア(核)を持っていそうなので、たしかにそうかもとは思いますが、日本語に入ってきて少しだけ意味が変わっているのかも知れません。

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